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斉藤太一です
第13章 再会と約束
あぁ…
懐かしいな
君が
手首に包帯を巻いていた
あの日
僕の部屋に着くまで
僕は
君の前を歩き
後ろを歩く
君のことを
気にかけながら
歩いていた
君が
どこかに
行ってしまわないように…
「しずくちゃん
大丈夫だよ
僕は
ちゃんと
ついて行くから」
また
振り返った
しずくに
僕は
そう声をかけた
すると
しずくは
何度も
首を縦に振って
答えた
それから
しずくは
振り向かなくなったけど
しずくの
かすみに
握られていない手が
僕はとても
気になって
手を
繋いであげたいけど
そんなこと
できなくて
ただ
じっと
しずくの手を見ながら
僕は
歩いていた