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斉藤太一です
第14章 変わらない僕・変わらない君

玄関の外に出ると

外は
雨が降っていた



「雨…降って来ちゃったね…」



そういいながら
かすみは
手すりから
手を伸ばし

空から落ちる雨で
手を濡らした




「傘持ってきてないの」



僕を
振り向く
君に


どきっとした




「一本しか傘が無い…」



「仕方ないね」



どういう意味?


じゃあ、やめるってことかな
一本でもいいよってことかな



一瞬悩んだけど



「斉藤さん、行こ?」



と、かすみに言われ



僕は
玄関の傘を手に
ドアに鍵をかけた



すぐに傘をさして

先に
階段を降りる
君に
傘をさしてあげると

僕は
全く傘には入れず
眼鏡が濡れてしまった



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