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斉藤太一です
第15章 近づく距離・遠ざける君
かすみは


僕の大きな傘をさし




しずくが待つ

おばぁちゃんの所へ
歩いていってしまった




階段の上から

かすみが
見えなくなるまで

見送り





僕は



部屋に戻った









まだ

心臓が

どきどきしていて







どうしてか
分からないけど


少し





泣きそうになった








かすみが

帰ってしまったことが

さみしかったから






でも





また

会えることが





うれしかったから







ほっとしたから・・













僕は



ベットに

転がり




なんだか

身動きできないまま







ずっと

天井を見つめていた







いつもの生活に

戻ってしまったら



かすみが居た

この空間が

壊れてしまいそうで





現実に

戻るのを

嫌がるように






僕は

そっと

目を閉じた
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