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斉藤太一です
第15章 近づく距離・遠ざける君
夜になり
僕は
携帯を握りしめていた
電話をして
かすみの声を
聞きたかったけど
しずくが
起きていたらいけないし
眠ってたら
起こしてしまったり
するんじゃないかと
気になって
メールをすることにした
さっきから
文字を打っては・・消し
文字を打っては・・消し・・・
どんな
テンションで
どのくらいの口調で
文字を打てばいいのか
わからない
絵文字は
使った方が・・いいのかな・・
そんなことを
もう
30分もやっている
明日は
かすみも
仕事なんだから
早くしないと
寝てしまうかもしれないのに。
あれこれと
悩んだ挙句
僕は
「今日は楽しかったね
来てくれて
ありがとう」
それだけの
メールを送信していた
木曜に
会いたいと
メールしたかったのに。