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斉藤太一です
第15章 近づく距離・遠ざける君
珍しいな・・・
番号は家電だし
かすみから
電話をかけてくること自体
あまりないことで
何か
あったのかと
心配で
僕の胸が
ドキンと音をたてた
「もしもし?」
「・・おとーさんですか?」
電話をかけてきたのは
しずくだった
「しずくちゃんかい?
どうしたの?珍しいね」
落ち着いて
しゃべるように
心がけたが
かすみに何か
あったんじゃないかと思い
いつもより
早口になってしまった
「あのね
今ね、ママは
ちょっとだけ
お買い物なの
あのね
おとーさん」
「ママは留守なんだね
大丈夫かい?
何かあった?
しずくちゃん?」
「あのね
明日・・・」
「うん」
「明日・・しずく・・
運動会なの・・
・・来てくれる?」