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斉藤太一です
第16章 ぶつける感情・吐き出す感情

そう
思いはじめると

僕は
居ても立っても
いられなくなり



正座をして


深呼吸




かすみの携帯番号に



勇気を出して
指を触れた







「もしもし」




少し・・声の小さなかすみ




「僕・・あの・・

今、大丈夫?」





「ちょっと・・待って」





目を閉じて
かすみが
ドアを開ける音を聞いた



また

ベランダに
移動したのかもしれない




「もしもし

もう・・平気」





「う・・・うん・・

い、忙しい時間にごめんね?
しずくちゃんは・・」




「疲れて

もう寝てるの」





「そ、そうか・・

あの・・



今日は・・・ごめん


勝手に


勝手に
運動会に行ったりして

ほんとうにごめ・・」








「・・・斉藤さん・・」







「・・はい」






「明日・・・

会えませんか」





「・・え?」






「明日、お店が終わってからで
かまわないので



会ってもらえませんか






話したいことが



あるの・・・。」









「かまわないよ


かまわないけど・・・





今じゃ
だめなの?


電話じゃ・・・


話せないこと?」






「しずくが

起きると



話せないから・・・」








「・・・うん・・わかった」


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