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斉藤太一です
第17章 遅くなってごめんね、しずく

玄関を出て
階段を降りる


降り切ったところで
僕は
手のひらを
ズボンでさっと
ふいてから


かすみの手を握った




駅まで

ゆっくり歩いて




駅の近くで

食事をした。





デートなんて

言ったけど



ただ、それだけ。







久しぶりの食事で

僕は

あまり食べられなかったけど




楽しかった







泊まる?






そう
聞きたかったけど



明日は
朝から
弁当屋で仕事だと
かすみが話していたから



聞けなかった







それから

かすみのアパートに
向かうため
一緒に
電車に乗った




送らなくていいと
かすみに言われたけど


僕が
まだ一緒に居たいからと
手を放さなかった




電車を降りると

かすみのアパートまで
バスに乗った


タクシーの方が
早いのに。






僕たちは


バスに乗った。







アパート近くの
バス停が
近づくと


僕らは
無言になった







バスを降りて



「遠くまでごめんね」



って
かすみに言われたけど




「あっという間だったよ」




と答えた




「部屋まで送るよ」




そう言うと



かすみは






黙って

うなずいた

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