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斉藤太一です
第18章 遅くなってごめんね、かすみ
そんな
ある木曜日
かすみは
僕の部屋に
来ていた。
木曜日は
しずくを迎えに行くから
木曜に
かすみが
僕のアパートに来るのは
珍しいんだ。
「やっぱり落ち着くな…」
「ん?」
僕が
コーヒーを
ドリップしてる間
かすみは
僕の隣に座って
膝をかかえていた
「もう少し
ココが広かったら
ココに越してくるのに。
そのくらい
この部屋…好きなの」
「こんな
なんでもない部屋が?」
「…うん…」
そう言って
かすみは
目を閉じた
昔のことを
思い出しているのか
目を閉じたまま
少し
微笑んだ
ドリップが
落ち切るまでの間
僕は
そんなかすみの
髪を
柔らかくなでた
「斉藤さん…」
かすみが
目を閉じたまま
僕の名前を呼んだ
「ん?……」
「キス…して」