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斉藤太一です
第3章 大人って・・つまらないね
ニ週間後



僕が
会社の帰りに
変な名前のコンビニの前を通ると


君はまた

ぽつんと
あの場所に
座っていた




君は

あの
雨の日のように
また背中をまるめて
座っていて


手首に




包帯を巻いていたんだ





どうして
そんなことするんだよ!




そんなこと
僕は言わないよ



自殺する人の気持ちが
分からないと言う人が
まれにいるけど

僕はそうは思わないよ

自殺はしないけど
そうしたいと
思ったことは何度かあるんだ


思っただけで


君のように


自分を傷つけることは
したことがないんだけどね





僕が

君の前にしゃがみこむと




君は

ゆっくりと
頭を上げたよね




「あ・・・斉藤太一さん」



君は
ずいぶん
疲れた顔をしていたよ




「・・久しぶりだね」




「遅いよ」




「待っててくれてたのかい?」




「別に・・」





バツが悪そうに
不機嫌な顔をした君は
少し・・・

お酒の匂いがしていたね




「お腹・・すいてるかい?」




君は
黙ったまま
首を横にふって


「なんにも…食べたくない」


と言って

また
顔を伏せてしまった




「うちに・・・・来るかい?」




そう僕が
君を誘うと


君は


顔を伏せたまま



そして
黙ったまま







包帯が巻かれた
左手をゆっくりと
僕に差し出したんだ



痛々しい
その
小さな手を

そっと握ると



やっぱり
その手は冷たくて・・




僕は

胸が苦しくなったよ





「行こうか・・」





「・・・・・・うん」












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