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斉藤太一です
第9章 あたし・・・帰るね
君との
その妙な時間をすごしていたら

あっという間に
夕方が近くなって
気がついたら
部屋が少し
暗くなっていたね


そこからは


よく
覚えてるんだよ



君と


僕の




やりとりの
全てを・・・。









あの時

ふと

今日、かすみは
何時に帰るんだろうって
僕は気になったんだ




「かすみちゃん」




「なに?」




「お腹・・すいてないかい?」




「今は・・まだ平気」




「今日は何時くらいに帰るのかな

もし
遅い時間までいるなら
何か食べるもの
買ってきた方がいいよね」




「・・・うん・・・」





その日の君は

ほんとうに
珍しく

言葉が曖昧で・・・




「何時くらいまでいる?」




「斉藤さん」




「なんだい?」






「もう少し・・

もう少し暗くなるまで
いてもいいかな・・」





「僕はかまわないよ

あ、ちょっと
部屋が暗くなってきたよね

電気、つけようか」




「待ってっ」





「・・ん?」








「このまま・・


部屋が暗くなるまで

このままで・・いいかな・・」







「暗く・・・なるまで?」







「・・・うん」


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