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斉藤太一です
第9章 あたし・・・帰るね
「かすみちゃん」




「………」





「暗くて

かすみちゃんの
顔が見えないから

ちょっと
話しづらいな…」







「・・・・」






「話しをしてる間



手を

・・手を握ってても

いいかな」











「・・・うん・・」






それから

暗闇の中
デーブルの上に
手を滑らせて

かすみの手を探したんだ



ゆっくり

僕の手を
君に近づけ


やっと
辿り着いた

君の手は






あの時と
違って


とても


あったかかったね





そして


とても
ふわふわしていた







もう

君に辛い思いは
させたくない



もう二度と
自分を自分で傷つけるようなことを
して欲しくない





僕の恋が
実らないとしても









もしも・・




もしも
まだ間に合うなら






君には

ステキな恋をしてもらいたい





愛のない
セックスなんて



してもらいたくないんだ


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