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Deep Emotion
第15章 side 由里
「あの子はいつも丁寧に仕事をこなした後は、ちゃんと頭を下げて声を出して挨拶するんだ。誰も返事なんかしないのに。毎回、毎回、一度だってなおざりにはしなかった。その姿が、ずっと目に焼き付いて離れなかった。仕事だって丁寧なのは当然かもしれないけど、その当然を続けていくのは難しいよ。最初は丁寧でも、慣れる内にどこかで手を抜いても大丈夫なところがわかるから、忙しい時はそこだけサボるとかね。それをしないで真摯に仕事をする人って、それだけで充分魅力があると思わない?」