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Deep Emotion
第8章 春の夜道
ぞくり、と全身が粟立つ感覚がした。
…怖い。
「…なーんてね」
ぱっと陽くんは手を離し、私は拘束から解放された。
「え…?」
「本気にした?」
陽くんは、いたずらに成功した子どもみたいにけらけらと笑った。
か、からかわれた…?
へなへなと、私はその場にへたり込んだ。
「からかってごめん。…帰ろ?」
そう言って差し出す手が優しかったので、私はその手を取って立ち上がった。
冷たい空気が覆う夜道を、私と陽くんは手を繋いで歩いていた。