この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Deep Emotion
第9章 偽物の婚約者
「はーっ…」
「大丈夫ですか?」
私は門倉さんに麦茶を渡した。門倉さんが私を見る。
「…藤澤さん」
「はい」
「手当てだすから、俺の婚約者になってくれない?」
「ぶほっ」
陽くんが麦茶を噴き出した。
「こ…婚約者っ?」
何がどうなって婚約者?
これはプロポーズというやつなのか。
「あ、ごめん。言葉が足りなかったね。藤澤さんには、俺の婚約者の振りをしてほしいんだ」
いやいや、どっちにしたって意味がわからないんですが。
「…お見合いを組まれそうなんだけど、恋人や婚約者がいるならやめておくって、実家の母から…」
「は?兄貴、今の電話、母さんだったの?」
テーブルに飛び散った麦茶を拭き取りながら陽くんが訊いた。
「そう。あ、陽に伝言。俺もだけど、たまには帰ってこいだって」
「えー…、考えとく。で、見合い回避の為に澪に婚約者の振りさせるわけ?」
陽くんが不機嫌そうに言った。
「この通り!」
門倉さんが手を合わせて懇願した。
「土曜日に母に会ってくれるだけでいいんだ」
無理、絶対無理。
私は何とか断ろうとして、名案を思いついた。
「大丈夫ですか?」
私は門倉さんに麦茶を渡した。門倉さんが私を見る。
「…藤澤さん」
「はい」
「手当てだすから、俺の婚約者になってくれない?」
「ぶほっ」
陽くんが麦茶を噴き出した。
「こ…婚約者っ?」
何がどうなって婚約者?
これはプロポーズというやつなのか。
「あ、ごめん。言葉が足りなかったね。藤澤さんには、俺の婚約者の振りをしてほしいんだ」
いやいや、どっちにしたって意味がわからないんですが。
「…お見合いを組まれそうなんだけど、恋人や婚約者がいるならやめておくって、実家の母から…」
「は?兄貴、今の電話、母さんだったの?」
テーブルに飛び散った麦茶を拭き取りながら陽くんが訊いた。
「そう。あ、陽に伝言。俺もだけど、たまには帰ってこいだって」
「えー…、考えとく。で、見合い回避の為に澪に婚約者の振りさせるわけ?」
陽くんが不機嫌そうに言った。
「この通り!」
門倉さんが手を合わせて懇願した。
「土曜日に母に会ってくれるだけでいいんだ」
無理、絶対無理。
私は何とか断ろうとして、名案を思いついた。