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第9章 偽物の婚約者

門倉さんの手が背中に回り、器用にファスナーを下ろしていく。

「やっ…」

ワンピースは容易く脱がされてしまい、頼りないくらい薄い布も、あっという間にすべて取られてしまった。

もはや肌を隠すものが何もなくなった私は、恥ずかしくて泣きそうだった。

つぅっと首筋をなぞられる。

「!!」

ぞくぞくする感覚に体がのけぞった。

「これくらいで、感じるの？」

「…っ、あっ…」

首筋、鎖骨、胸、お腹。

体の至る場所に降るキスと愛撫が、私の快感を徐々に高めていく。