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Deep Emotion
第11章 恋とは何か
*
「ありがとうございました」
週が明けた月曜日。『企画課』の清掃を終えて、挨拶をする。
相変わらず返事はなく、目の前を通りがかった社員が軽く会釈をするだけだった。
今日はもう1箇所清掃をしたら上がりだ。
「…暑い…」
冷房は効いているはずなのだが、動いているうちに汗が出てくる。
でも、動いている方がいい。2人のことを考えなくて済む。
考えたくなんかない。苦しくなる。
掃除道具の載ったワゴンを押して、エレベーターで1つ下の階に降りる。
とにかく今は目の前の仕事をこなすことに集中した。