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第15章 side 由里

7月下旬に連絡を受けて、私は明と会っていた。

「しばらく、日本を離れようと思う」

突然そんなことを言うので、会社はどうするのと聞いたら、自分はもう社長じゃないと言った。どうやらここ何週間かで身辺整理は済ませたらしい。

だけどなぜ日本を離れるのか。海外で何をするというのか。

「俺は、あの子から離れてあげないといけないんだ」

あの子、というのが誰を指すのかは容易に想像がついた。澪ちゃんだ。

陽と同い年で、7つ年下の彼女に、明は想いを寄せている。

しかし、彼女から離れるとは一体どういうことなのだろう。