この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
隠匿の令嬢
第5章 獣の邸と淫らな教育係
ずるり……と抜かれた指は蜜でしとどに濡れ、栓を失った蜜壺からトロトロと奥から愛蜜が溢れて双丘を伝った。
「はぁ……ん」
一度高みへと昇った身体は敏感で、それだけで悩ましげな吐息が漏れてしまった。
浅く早い呼吸を繰り返すアリエッタはベッドへと横たえられ、冷たいリネンが火照る身体を癒す。
レオは恍惚とするアリエッタに優しく口付けた。
「アリエッタ。キミはいい教育係になりそうだ」
魅惑的な笑みを浮かべるレオをぼんやりと眺めた。
急激に重くなる瞼。
部屋に戻らなきゃと頭の片隅に過るが、重いのは瞼だけでなく身体もだ。
「我慢するな。眠ればいい」
波打つ蜂蜜色の髪を撫でるレオの手が心地好く、同時にとてつもなく哀しくなった。
この手が悦ばせたのはアリエッタではなく、彼女を通した誰か──。
しかしアリエッタはまだ知らない。自分がなにを選び、なにを捨てたか。
それを思い知らさせるとき、アリエッタがどうなってしまうかも……。
今のアリエッタはただ重くなるばかりの瞼に逆らえず、髪を撫でる感触に身を寄せ、意識を手放した。
.