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隠匿の令嬢
第7章 危険な一夜


 歯列や口蓋、舌の裏や根元に至るまで丹念にアリエッタの口腔を味わうレオの唇が離れると、息苦しさと官能で浅く呼吸を繰り返す。


「あまり大きな声は出さないほうがいい。誰かに聴かれたくないよな?」


「──ッ!?」


 そうだ、ここは野外だ。辺りにはルードリアン男爵の邸しかなくとも、誰か来ないとも限らない。


「アリエッタ。これを咥えてろ」


 レオは持ち上げたスカートの裾をアリエッタの口元に運ぶ。


「そんなことでき……あぅっ」


 レオの指が蜜壺へと入り込み、肩口を揺らして仰け反る。媚肉が疼き、中の襞が蠢いて指をもっと奥に入れようと誘っている。


「ああほら、噂をすればだ」


 レオが湖の方角を見遣り、アリエッタも首だけ捻り熱で潤む瞳を向けると、木々の隙間からニーナとセドリックが並んで歩いているのが見え戦慄する。


 もしこんな姿を見られでもしたら……。そう思うと頭が沸騰しそうなくらい恥ずかしくなった。


 ゆるゆると抽送する指にブルッと身震いし、またレオを見る。


「や……、お願い……も、んっ……やめ……」


「あっちからじゃ見えないだろうけど、アリエッタの声で気付かれるかもな?」


 レオは耳に唇を寄せて囁く。


 嫌だ。見られたくないし、はしたない声も聴かれたくない。


 そう訴えようとしても責め立てるレオの指は止まらず、口を開けばあられもない声を出してしまいそうだ。






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