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隠匿の令嬢
第7章 危険な一夜


 アリエッタは襲い来る快感に苛まれ、淫らに喘ぎ、足の爪先でリネンを掻く。


「アリ、エッタ……っ」


 自分の上で狂おしそうに名を呼ばれているのも届いてない。


「あ、あ、あ…………っ」


 白い光が迫りくり、彼が己の獣性を必死で抑えているのも見えてない。


「ああぁぁっ!」


 酩酊と快感が交互にやってきて、混ざりあったとき、アリエッタは白に包まれる。その瞬間、腹部に熱い飛沫がかかり、レオも欲望を吐き出した。






 事切れたよう、アリエッタはぐったりと寝台で気を失う。


「アリエッタ──」


 レオは息を乱し、瞼を閉じるアリエッタになにかを呟き汗で濡れる髪を掻き分け、額に口付けた。


 その口づけは瞼や頬、そして唇へと落とされる。




 アリエッタの呟きとレオの呟きは互いに届いてはない。


 それが2人の運命を大きく別つものであろうとは、聡いレオにも解らなかった。










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