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「冗談じゃないわよ、一緒にしないで」
第17章 日進月歩
「ははっ!うるせぇよ。
小百合は一生俺のもんだ。
何がなんでも離さないし、大事に養っていく。」
人との結び付きっていうのは実に不思議なモノよね。嫌いだった人と結ばれちゃってるんだもん。
この人が居ないと生きていけない、と思ってるんだもん。
「あんたも、そうだろう?」
「言わなくても分かるやろう。
ーー・・私は光なしじゃ生きていかれへんよ。」
そうだ。
もうここまで愛してしまった。
ここまで母になってしまった。
光がスランプに陥っても、選手を引退しても
紫音に反抗期が訪れても、
千代菊がとんでもない彼氏を連れてきても、
私がこの子達から離れられることは一生ない。
誰に求愛されて
誰に尽くされても、心が靡かない。
それが、きっと私の生きる運命である。
あの"柳沢光"の妻として
"ハンソン"との子供を作った女として
背負っていくものは他の人より重いわよ。
でも途中で匙を投げて良いなんてことは、私、誰からも教えられていない。
愛した人間を、
見放していいなんて事も教えられていない。
ーー・・ただ、一生付いていくしかないんだ。
「かわいいこと言うじゃん。」
と照れ臭そうにハニカム彼にーー・・。