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第11章 関係者席

わたし、お手洗い行ってくるね
スタッフが席を外す



ユイさんー。

一人になるとすぐに背後から呼ばれた
声で分かった

シウだ。

ちょっと怖かったけど
色んな人がいるからなにもされないだろうし
体面上相手にしなくちゃいけないので
ふりむいた

お久しぶりです。


正面に座られる

聞いてもいい？
その靴、あの時の？


だって、靴に罪はないもん。
それに、履きやすくて。
ぴったりだったし。


済州島でシウが買っておいて行った
靴を履いてきていた


気に入ってくれたんだ。

にっこり笑うシウ

とりあえず、靴と服については
ありがとうって言っとく。

好みのだったし・・・

でもね、絶対許さないんだから。


顔を見ない


許してとはいわないよ。
でも、ユイさん本当に可愛かった。
また機会があればいいなって思うよ。


機会なんてもうないよ。


こんな場所で何かあるはずないのに怖くなる。



まぁいいや。
じゃあねユイ。


恋人でもないのに呼び捨てするなんて


嫌な気分になってしまう。