この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
2 人 に 堕 ち て 。
第16章 引 き 際
「初めにココへ来た時、俺にもすこしは勝ち目があるんじゃないかと思っていた。大学での茉麻を知ってるのは、彼よりも俺だって、自信もあった。
ーー、でも違ったんだ
俺の知ってるお前は、彼の中のお前のほんの一部でしかなくて。
俺の見て来たお前も、彼が見てきた時間には到底追いつけないくらいだった。
茉麻が欲しくて欲しくて、ふたりでシたけど。
そのときから、もう、勝てないんだろうなって思ってた。わかってた。
でも、諦めたくなかった。
初めて、すきだと思ったから。愛おしいと思ったから。」
茉麻は溢れる涙を止めるはことはできなかった。