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2 人 に 堕 ち て 。
第13章 ふ た り
気づいたのは、中学生の時。
初めて、茉麻じゃない女の子と手をつないだその時に。
茉麻が特別だと気づいた。
康希はちらり、浴室を窺った。
そこにいるはずの、幼馴染「だった」彼女を。
幼馴染という関係を崩したくなくて、動かなかったのは、紛れもない事実。
嫉妬で狂いそうなときも、目を閉じてきた。
大学では、初めて違う学校に通った。
実家から出ても、親が用意した住む部屋は隣同士。
だから、油断していた。
広がっていく、彼女の世界。
それでも関係は変わらないと思っていたのに。
すこしの焦りを感じた…あの夜。
夜の訪問者に扉を開けたら、酔った彼女と彼女を支える知らないオトコ。
すっと、冷静になれたのは。
そのオトコが自分と真逆だったから。
茉麻がいままで身体を重ねたオトコたちと、よく似ていたから。
鍛えられた身体。凛とした顔つき。
クールでストイックな空気を纏う、佳孝。
なんで、僕は、茉麻の選ぶオトコになれなかったんだろう…
王子様と呼ばれる顔も性格も。
茉麻に好かれなきゃ意味がないのに。
すぐに、理解した。