この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
とあるオクサマのニチジョウ
第12章 Scene.02
 
「まぁ、遠慮しないでやってくれよ?」

「は、はい。戴いてます」

「これも、宜しかったらどうぞぉ」

「は、はい。ありがとうございます」

 ソファーに向かい合って座る、正行と後輩の男。

 恭子は間に置かれたテーブルに上体を倒して料理を置きながら、脇目で後輩の男をチラッと見遣る。


…やっぱり…何処かで………


 パタパタとスリッパを鳴らしながらキッチンへと戻った恭子は、流し台に腰を預けて顎に人差し指を当てて考え込む。

 大柄な体型ながら、ワイシャツにネクタイ、スーツを着た姿は正行の後輩社員としてはおかしくない恰好。

 しかし、黒い短髪に黒く日焼けした肌で、スーツを着こなしているよりも、着られている印象の方が強かった。


…営業より……力仕事の方が向いてそうなんだけど………


 チラッとリビングで談笑する二人を見比べる。

 片や、白髪混じりで髪も薄くなった、中年太りもいいところの夫。

 片や、ワイシャツの上からでも分かりそうな程に、引き締まった体型をしている後輩の男。

「で、少しは仕事に慣れたかな?」


「いやぁ。営業なんて初めてで………。でも、頑張りますよっ」

 苦笑を浮かべながら太い腕を上げて、ポリポリと頭を掻く後輩。

 日焼けした肌から覗く白い歯と若々しい雰囲気に、恭子は思わずドキッと胸を高鳴らせた。


…ちょ……私…ときめいてる場合じゃなくてぇ……
…やっぱり…あの頭とか…日焼けに………スーツ………
…どっかで見たようなぁ………


 僅かながらにドキドキと鼓動を速まらせながら、恭子は無理矢理に思考を切り替えた。

「おぉい。お前もこっちに来なさい」

「えっ……ええっ」

 以前と変わらない正行の恭子を呼ぶ声。

 振られた左手からは指輪の姿は無く、恭子はそれを視界に入れずにリビングへと向かった。
/298ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ