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とあるオクサマのニチジョウ
第13章 Scene.03
 
「何か……最近、恭子姉…変わった気がするんだけど………」

「あらあらぁ。そんな事無いわよぉ?」

「いや……何処がって訳じゃないんだけど、なぁんかさぁ………」

「それはアンズちゃんの考え過ぎよぉ」

 数日前に交わした杏子との会話を思い出して、ソファーに座る恭子は苦笑を浮かべる。

 怪訝そうに見詰めてくる杏子に、無理矢理に笑みを浮かべた恭子。

 目まぐるしく環境が変わっていく事に苦笑しか浮かばなかった。

 相変わらず、アパートの部屋には一人。

 名目は出張や泊まり込みとなっているが、正行の行き先は疾うに分かっていた。

 住所は知らなくとも、まだ二十代の恭子よりも若い女の所に入り浸っている。

 一ヶ月に二日だったのが、半月に二日くらいとなり、それが一週間に二日となって、今では、家に帰ってくるのは一週間に二日もあれば良い方だった。

 帰ってきた所で、擦れ違いの生活。

 会社の後輩を連れてきた後日からも、まともに会話らしい会話はしていない。

 幸いにも、喫茶店を辞めさせられた所で、金銭的に不自由はしていなかった。

 正行の給料だけは律儀に口座に振り込まれている。

 しかし、それだけ。

 余り使わなくなった金は貯まるが、恭子の時間と心はスカスカだった。

 その隙間を埋めるように、恭子は以前にも増して快楽を求めていっていた。
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