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とあるオクサマのニチジョウ
第15章 Scene.05
「んむぅ………」
真希は脚を止めると、撓わな胸を腕に乗せて腕組みをしながら唇を尖らせて唸る。
ガバッと開けたクマさんパジャマの胸元から、持ち上げられた胸の柔肉が一際深い谷間を作り上げ、可愛らしい衣類とはアンバランスな欲望をそそる姿を見せる。
「ただでさえ分かりにくいのにぃ……むむぅ………」
尤も、暗い辺りを見回して、現在位置を把握しようとしている真希は、自らの姿を気にしている素振りは微塵もなかった。
周囲へキョロキョロと視線を向ける真希だったが、ある一点に視線を定めると、徐に脚を動かし始める。
「…ここはぁ………」
木々の間を通り抜けていく小道。
その入り口は改造が施されていたバイクが数台並び、暗い小道の奥からは微かに嬌声が溢れてきていた。
…あの公園って…夜は………
言動は子どもっぽさが残る真希であったが、それでも何が行われているのかは理解出来ていた。
立ち止まっている間も聞こえて来る嬌声に、真希は複雑な表情を浮かべる。
…恭子さんと初めて会った場所………
…もしかして恭子さんも…あんな事する為に………
…逆に…恭子さんは真希の事を………あんな事をする為に来てたとか思って………
「むむぅっ…こうしちゃいられないっ」
恭子が誤解をしていると思い込んだ真希は、直ぐさま脚を動かし始めた。
見覚えのある場所だけに、後少しで会えると思った真希の足取りは軽快だった。
「待っててねぇっ」
そう言って走り出した真希は、今来ていた道を戻っている事に気付くのはかなり後になってからだった。