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不器用なくちびる
第8章 別離
「ケガのことは嘘って聞いた訳じゃない
んだ。でもどう見てもあれは…
俺が聞いたのは、香山が今日でもう
学校が最後だろうっていうこと。
橘がその話どこかで聞いたらしくて…
で、お前にはそのことを
絶対言わないで欲しいとも言われた。
でももういいだろ?
本番終わったし…
あいつらの気持ち、知らずに行く
なんてなんか違う気がしてさ。」
みんな…知ってたなんて…
「あと…これも聞いた。
香山が俺のことずっと想ってくれてた
って。…ありがとな。うれしいよ。」
「あ…うん…」
「正直良くない噂も聞いたけど…
俺は香山のこと信じるよ。
近くで見てたらわかる。
もっと早く友達になっとけば
良かったよな。」
ありがとう…ありがとう…!
「香山…目、つぶってくれる?」
え…何?
私がそっと目を閉じると
温かく、柔らかい感触がくちびるに…
触れた。
んだ。でもどう見てもあれは…
俺が聞いたのは、香山が今日でもう
学校が最後だろうっていうこと。
橘がその話どこかで聞いたらしくて…
で、お前にはそのことを
絶対言わないで欲しいとも言われた。
でももういいだろ?
本番終わったし…
あいつらの気持ち、知らずに行く
なんてなんか違う気がしてさ。」
みんな…知ってたなんて…
「あと…これも聞いた。
香山が俺のことずっと想ってくれてた
って。…ありがとな。うれしいよ。」
「あ…うん…」
「正直良くない噂も聞いたけど…
俺は香山のこと信じるよ。
近くで見てたらわかる。
もっと早く友達になっとけば
良かったよな。」
ありがとう…ありがとう…!
「香山…目、つぶってくれる?」
え…何?
私がそっと目を閉じると
温かく、柔らかい感触がくちびるに…
触れた。