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不器用なくちびる
第3章 初恋
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」


椎名は栞の脚を優しくベッドに下ろすと
自分はベッドを背もたれにして床に座り
その表情は見えなくなった。


あそこ、ピクピクしてる…


身動きが取れない身体で
そんなことを考えながら
栞は気だるい余韻の中にいた。
しばらくそうしていると。


「お前、いつまでいんの?
もっとやって欲しいの?
俺、そんなに暇じゃないんだよね。
どうしてもって言うなら
代わりに男何人か呼んでやるけど
どうする?(笑)」


…!ひどいよ…

椎名はやっぱりこういう人なんだ。
優しくしたりひどいこと言ったり…
同い年なのになんて…

なんて歪んでるんだろう…


栞は何とか服を整え、
ガクガクする膝を隠して
無言で部屋を出た。
椎名の顔は見なかった。
傷ついて泣いてる顔なんて
見せたくなかったから…

帰り道、栞は考えていた。

この間も今日も椎名はSEXしなかった。
それは不幸中の幸いと言えるけど…

どうしてなんだろう?

男の人はSEXしないで満足できるの?
一方的に辱めて…何がしたいんだろう。

私としたくない理由でもあるのかな。
なぜか複雑な気持ちだった。
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