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第23章 　その、透明な鎖を

「もう秋だね」

「ん。どんな季節になるかな……」


悠斗の言葉に、凛は微笑んで答える。


「さあ……でも、きっと変わらないよ」


――夏と同じように、秋も。それから先も。
凛と一緒に過ごしていくだけ。


「変わらないかな」

「ん」


――変わらない。
もう俺は、決めたんだ。


「……そっか」


そうして、ふたりは再びその手を繋ぎ直す。


迷いのない彼の目は隣を歩く彼女へと向けられて。
その視線に気付いた彼女が彼に向ける、無邪気な笑顔。



――秋の始まりを告げる、風が吹いた。





　　　　　　　　　f i n .