この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
その、透明な鎖を
第3章 いいこと
悠斗は、そっと目を開ける。
「……り、ん」
掠れた声で、彼女の名を呼ぶ。
「ん……?」
彼女は、とろんとしたような目で、彼を見て。
「はいった」
「……うん」
子供のような彼の報告に、くすくすと笑って。
「はいっちゃったね」
そんなふうに可愛く言うから。
悠斗の胸は、急にぎゅっ……と苦しくなった。
「凛……好き」
その衝動のままに、彼女をぎゅっ……と抱き締めて。
その頭を優しい手つきで撫でてくる彼女への想いで、また苦しくなって。
「……ね、動いて?」
彼の耳元へと囁かれた、彼女のそのおねだり。
「……っ、でも、動いたら」
――たぶん、すぐ、出る。
動かなくても、ただでさえ気持ちいいのに。
「いいよ……」
――でも。
それでもいいって、凛が言ってくれるなら。