この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
『ヒロキ』
第2章 最悪な出会い
何とか最終の電車に間に合い、席に座る。
アタシたちのいる車両には、他に2、3人の乗客がいたけど、次の駅でみんな降りてしまった。
ヒロキと2人だけの車内。
しばし、無言の2人。
電車の揺れる音だけが響き渡り、より静けさを際立たせる。
(うぅ…あんなことの後で、何か気まずいんですけど…)
ふと、向かいの車窓に視線を向けると、ヒロキと目が合い、ニコッと微笑まれる。
(っ!!///)
アタシは動揺を悟られないようにと顔を逸らし、車内の広告に視線をやった。
アタシと違って、妙に余裕な感じのヒロキが腹立たしく思えた。