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お姫様はドラゴンにさらわれました
第10章 ドラゴン兄貴
どうせヒールダートかエレーレだろう。

私がそっぽを向いていると、背後から抱き上げられた。

「ひゃあっ!」

ヒールダートだった。
軽々と私を持ち上げ、窓に向かって歩き出す。

「姫様、ちょっとマズイことになりました」

いつもおおらかに構えているヒールダートの顔に焦りが見える。
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