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お姫様はドラゴンにさらわれました
第10章 ドラゴン兄貴
私をさらった時、ヒールダートはちゃんと説明してくれなかった。
ついついとか、私の婚約者がどうとか、話をはぐらかして誤魔化した。

そういえば、お城の中庭で昼寝していた時もそうだったっけ。

それが彼の癖なのか。
それとも、言い出せなかったのか。

「もっと信用してくれても良かったのに……」

「ヒールダートお兄ちゃんは、お、お姫様を巻き込んで、ちょっと後悔してたです」

確かに、とばっちりもいいところだ。
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