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お姫様はドラゴンにさらわれました
第11章 怪我人には優しくしましょう
ガタン!

突然扉が開いた。

雨の音とともにエレーレが飛び込んできた。
背中にはヒールダートが寄りかかっている。

「ヒールダート!」

ヒールダートは全身ずぶ濡れだった。

「……あー、姫様」

彼は私を見て弱々しく笑う。
前髪から雫がポタポタと滴っている。
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