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第11章 怪我人には優しくしましょう

エレーレが新しい布をどっさり持ってきた。
止血を始めるのを見て、私はどんどんヒールダートを裸に剥いていく。

濡れた体を拭いていると、雨の雫を拭いてあげてるのか、血をぬぐってあげてるのかわからなかった。

「泣いてるんですか？」

ヒールダートが不思議そうにこちらを見つめてくる。

「泣いてないっ！」

私は乱暴に目をぬぐった。