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お姫様はドラゴンにさらわれました
第11章 怪我人には優しくしましょう
「何考えてんのよ……」

こっちは本気で心配しているのに、茶化さないで欲しい。

「だって、手も怪我しちゃいましたし」

けろっとした言い方に脱力した。

だが、ヒールダートの顔色は悪い。
本当は辛いのかもしれない。

私は顔をしかめながらスプーンを差し出した。

ヒールダートの口がそれをくわえるのを見ると、急にドキドキした。
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