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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第2章 恋の唄
 容貌としてはよく似通っている保邦と邦昭なのに、邦昭が荒んだ退廃的な雰囲気を纏いつかせているのに対し、保邦には一緒にいる者に安心感を与えるような穏やかさがある。徳姫自身、保邦といると、まるで親鳥の翼に抱(いだ)かれている雛鳥になったような気がしてくるのだった。
 徳姫は、そっと片手で心ノ臓のある辺りを押さえてみる。普段より何倍も速いその音は、何を意味しているのだろう?
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