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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第3章 転機
「姫さま、いかがなされました?」
 重ねて問うてくる葛木に、徳姫は文を無言で差し出す。受け取った葛木の視線が忙しなく文字を追う。ほどなく、女主人に劣らぬほど蒼白になった葛木が唇をわななかせた。
「姫さま、これは―」
 葛木が皆まで言い終えぬ前に、徳姫が言った。
「葛木、一度、月山に帰れぬであろうか」
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