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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第4章 花冷え
 しかし、保邦にそう言われたからには、もうこれで彼に指南して貰うことはない。
 保邦に逢えるのもこれっきりだと思うと、どうしても落胆してしまう。その想いが顔に出たのか、保邦は笑った。
「書は人を表すと申します。奥方さまのお書きにならるるお手蹟を拝見していると、見ている私まで心が和んでくるようだ。私の方こそ、教えて頂きたいくらいです」
 明日もまた来ると約して、保邦は辞していった。
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