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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第4章 花冷え
 呆気なく逞しい胸に倒れ込みながらも、徳姫はそのまま広い胸板に頬を押し当てた。
 不思議なことに、邦昭にはほんの少し触れられただけで膚が粟立つのに、保邦にこうして抱きしめられていると、心が幸せで溶けてしまいそうだ。
 そう、このまま幸せなままで、息絶えることができたなら。心も身体も幸せに溶け出して、愛する男と混じり合って一つになれたなら、どんなにか良いだろう。
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