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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第4章 花冷え
「季節外れの雪はこの永尾ではたいして珍しくもありませんが、積もるということは滅多とありません。ですが、これは、ひょっとすると積もるかもしれませんね」
いかにも邦柄らしい律儀さだ。
もし初めて出逢っていたのがこの男であったら、徳姫の運命はどうなっていたのだろうか。邦昭よりも先に、邦柄にめぐり逢っていたなら、自分は眼の前のこの男と共にこれからの長い道程(みちのり)を歩いていたのだろうか。
ともすれば過去に引き戻されそうになる自分は、やはり未練がましい女だ。
いかにも邦柄らしい律儀さだ。
もし初めて出逢っていたのがこの男であったら、徳姫の運命はどうなっていたのだろうか。邦昭よりも先に、邦柄にめぐり逢っていたなら、自分は眼の前のこの男と共にこれからの長い道程(みちのり)を歩いていたのだろうか。
ともすれば過去に引き戻されそうになる自分は、やはり未練がましい女だ。