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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第1章 始まりはいつも雨
 その時、徳姫は純白の小袖に打掛を身に纏っていた。言わずと知れた花嫁衣装である。
 練絹には幸菱が織り出され、光沢のあるしっとりとした白が徳姫を可憐に見せていた。
 邦昭は顔の造作の検分が終わると、次は当然のように白無垢に包まれた徳姫の身体を遠慮なく見つめる。
 まるで打掛や小袖を剥ぎ取られ、一糸まとわぬ裸身を素手で撫で回されているかのようで、徳姫はまたしても総毛立った。
―何故、この男(ひと)は、こんな怖い眼で私を見るの?
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