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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第1章 始まりはいつも雨
二人並んで立つと、後から現れた男の方がわずかに低いようだが、いずれにしても並外れた長身であることに変わりはない。
よくよく見ると、面立ちも邦昭とどことはなしに似通っている。が、邦昭が研ぎ澄まされた刃のような危うさを身に纏っているのに対し、一方の男は凪いだ春風のような大らかさを全身から発散させていた。
片方が凍てつく真冬の月ならば、片方は真昼間に輝く眩しい日輪―、容貌そのものはよく似ているにも拘わらず、醸し出す雰囲気はまさに対極にあると言って良いだろう。
よくよく見ると、面立ちも邦昭とどことはなしに似通っている。が、邦昭が研ぎ澄まされた刃のような危うさを身に纏っているのに対し、一方の男は凪いだ春風のような大らかさを全身から発散させていた。
片方が凍てつく真冬の月ならば、片方は真昼間に輝く眩しい日輪―、容貌そのものはよく似ているにも拘わらず、醸し出す雰囲気はまさに対極にあると言って良いだろう。