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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第1章 始まりはいつも雨

その点、葛木には、どんなことでも動じぬ不動の強さ、逞しさがあった。そして、徳姫は母楓の方の触れれば脆く、すぐにも壊れそうな玻璃(はり)細工のような繊細さ、美しさよりも、葛木のように嵐にも耐え得る頑丈な樹のようになりたいと願ってきた。
儚く美しい花は風よけや雨よけで守られている間は良いが、ひとたび厳しい風雨に晒されれば、すぐにでも萎れてしまう。この苛酷な乱世を生き抜くには、儚い美しさなど無用のもの。逆巻く時代の奔流にも呑まれず、泳ぎ切るだけの逞しさ、強さこそが武器になる。
儚く美しい花は風よけや雨よけで守られている間は良いが、ひとたび厳しい風雨に晒されれば、すぐにでも萎れてしまう。この苛酷な乱世を生き抜くには、儚い美しさなど無用のもの。逆巻く時代の奔流にも呑まれず、泳ぎ切るだけの逞しさ、強さこそが武器になる。

