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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第2章 恋の唄

しかし、花陽院は邦昭の実の母ではなく、義母になる。この辺りは少々複雑な事情がある。花陽院は、邦昭の父邦成(くにしげ)の継室であるが、元々は邦成の従兄正之(まさゆき)の室であった。
邦成の母と正之の母同士が姉妹になることから、二人は近しい間柄ではあったものの、正之の母為(なる)姫が嫁した白鳥(しらとり)の国と永尾の国は、はるか古(いにしえ)から敵対関係にあった。
当然、為姫が良人長戸正次(まさつぐ)との間に儲けた正之と邦成が行き来することはなく、従兄弟同士の二人は互いに顔を見ることもなく成人するに至った。
邦成の母と正之の母同士が姉妹になることから、二人は近しい間柄ではあったものの、正之の母為(なる)姫が嫁した白鳥(しらとり)の国と永尾の国は、はるか古(いにしえ)から敵対関係にあった。
当然、為姫が良人長戸正次(まさつぐ)との間に儲けた正之と邦成が行き来することはなく、従兄弟同士の二人は互いに顔を見ることもなく成人するに至った。

