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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第2章 恋の唄

邦成の死に関して、様々な推測がなされ、とりわけ有力視されたのは嫡男勝太郎が邦成に斑猫(はんみよう)(トリカブト)を食(は)ませた―という実に怖ろしきものであった。斑猫は猛毒である。邦成は城を出る直前、勝太郎の許を訪れ、歓談していった。息子は父を自ら淹れた茶でもてなし、送り出したのだ。
ゆえに、勝太郎が邦成に出した茶菓に毒が仕込まれていたのだと真しやかに噂された。ただ、この際、邦成が息子の許を訪れたのは、近々、家督を譲り隠居するという内々の話を聞かせるためであったという。
ゆえに、勝太郎が邦成に出した茶菓に毒が仕込まれていたのだと真しやかに噂された。ただ、この際、邦成が息子の許を訪れたのは、近々、家督を譲り隠居するという内々の話を聞かせるためであったという。

