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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第2章 恋の唄

佐治郎にとっては大したことではなかったのかもしれないが、いきなり床入りだと告げられて混乱状態に陥っていた徳姫にとっては、彼はまさしく救いの神であった。幸いにも、このひと月というもの、邦昭からは何の音沙汰もなく、徳姫は悠々自適の日々を過ごしている。
葛木が仕入れてきた情報によれば、邦昭は夜毎、日毎、お気に入りの愛妾を寝所に呼んでは淫事に耽っているらしい。大方、ひとめ見ただけの〝妻〟のことなどきれいに忘れ果てているのだろう。
葛木が仕入れてきた情報によれば、邦昭は夜毎、日毎、お気に入りの愛妾を寝所に呼んでは淫事に耽っているらしい。大方、ひとめ見ただけの〝妻〟のことなどきれいに忘れ果てているのだろう。

