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ビターチョコレート
第5章 愛しさと背徳の背中合わせ。
その女と隆司は長くは続かなかった。
不倫をしていて、
上手くやっているつもりでも、
私にはお見通しであり、
どんどん隆司に冷たい態度になる。
他の女を抱いてくる隆司に嫌悪感すら湧いてきた。
私は、そんな隆司に抱かれたくないから、
気づいていますよ!
でも、黙認してやるから、
私には触るな!
という空気を隆司に向かって醸し出す。
隆司がうっとおしい時には、
わざとその事を持ち出した。
「浴衣、
一回きりね。
洗濯は自分でしてね。
祇園祭りの夜は楽しかった?」
普通の顔をして、
遠回しに嫌味を言った。
ふてぶてしく、
口の強いこの男が黙り、
目が泳いだ瞬間を私は見逃さない。
不倫を最初に覚えたのもあなたよ。
家庭すらも満足に築けない男が、
外で息抜きですか?
何処からその余裕が出るんだか‥‥‥
一層の事、
事故にでも巻き込まれて、
死んでくれないかしら?
せめて、
私と翔太に何か残してよ。
ろくでなしなんだから。
私はレンに出会うまで、
妄想の中で、
何度も夫である隆司を殺した。
っていうより、
死んで貰った。
私が手を下すほど、
価値もない男だ。
あんな奴、
殺して、殺人犯になって、
翔太に顔向け出来ない母親になるのだけは、
避けたい。
いや‥‥‥
そんなバカな事はしないから。
不倫をしていて、
上手くやっているつもりでも、
私にはお見通しであり、
どんどん隆司に冷たい態度になる。
他の女を抱いてくる隆司に嫌悪感すら湧いてきた。
私は、そんな隆司に抱かれたくないから、
気づいていますよ!
でも、黙認してやるから、
私には触るな!
という空気を隆司に向かって醸し出す。
隆司がうっとおしい時には、
わざとその事を持ち出した。
「浴衣、
一回きりね。
洗濯は自分でしてね。
祇園祭りの夜は楽しかった?」
普通の顔をして、
遠回しに嫌味を言った。
ふてぶてしく、
口の強いこの男が黙り、
目が泳いだ瞬間を私は見逃さない。
不倫を最初に覚えたのもあなたよ。
家庭すらも満足に築けない男が、
外で息抜きですか?
何処からその余裕が出るんだか‥‥‥
一層の事、
事故にでも巻き込まれて、
死んでくれないかしら?
せめて、
私と翔太に何か残してよ。
ろくでなしなんだから。
私はレンに出会うまで、
妄想の中で、
何度も夫である隆司を殺した。
っていうより、
死んで貰った。
私が手を下すほど、
価値もない男だ。
あんな奴、
殺して、殺人犯になって、
翔太に顔向け出来ない母親になるのだけは、
避けたい。
いや‥‥‥
そんなバカな事はしないから。