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第3章 男を装う女

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半月後、火北地方の調査を終えて帰京したキオは王宮の敷地内にある警備局にいた。
勢いのある足取りで、警備局最高責任者である警備監理官の部屋へ向かう。
「監理官。第二警邏隊、キオ・メイです」
「入れ」
入室の許可を得て、キオは戸を横に引いた。
室内には、端正な顔立ちをした男が一人いた。
「リノ、火北はどうだった」
「キオです、監理官」
キオ、いやリノは表情ひとつ変えず訂正した。
キオ、というのは偽名だ。本当の名前はリノ・メイ。性別は女である。